お魚料理☆研究室

【秋田の郷土料理】美味しく簡単ハタハタ寿司の作り方

皆さんは秋田県の郷土料理ハタハタ寿司を食べたことありますか?

発酵の力によって骨まで柔らかく食べる事ができる、ハタハタ寿司

冬の時期が来るとどーしても食べたくなりますが、僕の住む地域のスーパーには出回らないので、僕自身で作るしかないッ!
と奮起して調べまくり、今回紹介する手作りハタハタ寿司を完成させました(笑)

そして出来上がった物を食べた感想は・・ぅ、旨い!!(親も知り合いに配りたいと言うほど)
間違いなく以前に観光で秋田県に行った際に食べたハタハタ寿司そのものでした。

ハタハタ寿司を作ってみたいけども、作り方も何の材料を準備すればいいのかわからない。
また、食べれるようになるまでどれくらい期間掛かるのか知りたい。

今回は”ハタハタ”さえ手に入れば、特殊な材料や道具が無い一般家庭でも簡単に作れることを身をもって証明したので、紹介していきたいと思います!

それではまずハタハタという魚について少々説明していきます。

①秋田県の県魚「ハタハタ(鰰)」とは?

ハタハタ

皆さんは「ハタハタ(鰰)」をご存知でしょうか?
主に日本海側で漁獲され、秋田県の名産として有名で県魚に指定されている魚です。


11月末から12月にかけて冬型の気圧配置によって海の時化が続くと、海水は大きく撹拌され、水温が大きく低下します。
その水温が下がったタイミングで沖合い深いところから1.5mほどの浅瀬まで産卵に押し寄せるのがハタハタ(鰰)です。


年の瀬、雪による作物類の食糧が不足するこの時期に人間から獲りに行かずとも、ハタハタの方から接岸してくださる。これは神様からの贈り物だということから、(魚/神=鰰)←この字が作られたと言われています。

ハタハタの水揚げ地として知られる秋田県八峰町八森では、昔の冷蔵・冷凍技術発達する以前、現地の人々は大量に水揚げされたハタハタを冬の貴重な食糧とすべく、発酵の力を借りて保存食にさせたのが、このハタハタ寿司。

ハタハタについて詳しい資料等は男鹿の水族館GAOにも展示されているので、是非観光の際に寄っていかれることをオススメします。僕も二度ほど行きました^^

※秋田県:男鹿水族館GAOはコチラをクリック

②ハタハタ寿司の所要時間と必要な道具

今回はハタハタを50匹ほど準備して作ります

ハタハタ寿司は麹を混ぜた米による”発酵”の作用を利用するので、漬物と同じような期間と道具を要します。

✔ハタハタ寿司が食べれるまでに要する期間

14日~20日 最低約2週間は掛かります。
仕込み工程だけが3~4日有り多少手間が掛かるだけで、それさえ終われば残りの日数はただ暗所で寝かせて放置するだけですし、仕込み工程もほとんどが放置なので面倒くさがりでも出来ると思います!

✔ハタハタ寿司作りの必要な道具

・漬物樽20型
・漬物石5kg
・つけもの袋
ハタハタを麹や野菜と共に敷き詰めていくと、意外とかさばるので専用の漬物樽があると便利です。
また、つけもの袋が有ると漬物樽を汚さずに済むのであると便利です。

ハタハタ寿司に必要な材料

(初日)
・ハタハタ(今回は50匹)
・塩200g
(次の日)
・酢(ミツカン 穀物酢1.8L)
(更に次の日)
・麹300g
・炊いた米1000g
・生姜 一個
・柚子(皮)一個
・大根 半分
・人参2~3本

ハタハタ寿司の作り方

では実際にハタハタ寿司を作る工程に入ります。
一日の作業自体は1時間も掛からず、数日にかけて行うので対して難しくも手間もかかりません!

一日目~下処理

ハタハタ寿司に使われるのはメスが多いですが、オス・メスどちらでも構いません。
オスの場合は白子があるので別皿に取り分けて、白子鍋にするのもオススメ!
メスの場合は卵があるので、卵はそのままで内臓だけ取り除きます。

オスのハタハタ

胸ヒレから包丁を入れて、頭と胴体を切り分けます。
ハタハタ寿司で使うのは、胴体側のみです。

続けて腐敗防止の為、血合いの所を指の腹で押すようにして、血を絞るように出し切ってください。

最後に塩をまぶして余分な水分を抜きます

塩の量は全体にかかれば適当で良い

漬物樽につけもの袋を敷いて、水気を切ったハタハタの胴体を入れて塩を200g程振りかけて、冷所で二日おきます

三日目~塩抜き

冷所で二日経過した塩漬けのハタハタからは余分な水分が出てきました。

塩漬けにすることで余分な水分が抜けて、身が締まります。
しかし、このままではかなり塩辛いので一日かけて塩抜きを行います。

水に浸けて塩抜き中

真水に浸けるだけだったので、つけもの袋は使いませんでしたが
樽にたっぷりの真水を入れて、ハタハタの塩抜きを一日行います。

四日目~酢漬け

三日目に真水に浸けて一日塩抜きしたハタハタの水気をしっかりと切り。
今度は「」だけを丸ごと樽に入れて、酢漬けを一日行います
酢には殺菌効果と魚肉を柔らかくする効果があります。

五日目~最後の本仕込み!!

最後の仕込み工程がちょっと作業量が増えます。

まずは、発酵の要である「麹」と炊いた米を混ぜます。


この際に麹菌がしっかりと作用する為には少し冷ました温度(50~60℃)が良いので、ボウルによそったご飯を10分~20分程放置して冷ましてから混ぜ合わせ、馴染ませる為に30分更に放置します。

麹と米の割合ですが、1:3の割合でOK。
今回は麹200gと米600gを使っています。
ハタハタの量に応じて足りなくなってくる場合もあるので、必要な分継ぎ足してください。

麹&米を寝かせてる間に、野菜カット

米&麹を馴染ませる為に寝かせてる間に、野菜たちを全て千切りにカットします。

ハタハタ寿司に入れる野菜は各家庭によって異なるので、そこはお任せします(笑)
今回は「大根・人参・生姜・柚子」を使用!

大根と人参は食感を加えるため
生姜と柚子(皮)は香り漬けです

樽に敷き詰めていく!

順場は米&麹→ハタハタ→野菜→米&麹→ハタハタ→野菜→米&麹で敷き詰めていきます。

まずは、つけもの袋をセット。

1.麹&米を底が見えないように薄く敷き詰める

2.水気を一番丁寧に!拭き取ったハタハタを並べる(なるべく重ねない)

3.千切りした野菜をパラパラと敷く

千切り下手くそです^^;

4.米&麹を敷き、上に塩を一振りと、軽くみりんを一周回し掛ける

5.手でグッグッと押し込む

この作業を繰り返し、最終的には必ず一番上に米&麹を敷くようにします。

6.落とし蓋(他の代用可)をし、重し5kgを乗せて冷所で2~3週間寝かせたら

完成!!

余分な水分が出てくるよ

※数日寝かせてる最中にまた余分な水分が出てくるので、捨てても良いし捨てなくてもOKです。

しかし捨てたほうが酸味が抑えられるので、僕は一回出てきた水分を捨てました。

ハタハタ寿司の完成!まとめ&保存期間

僕は二週間してから取り出して、人生初の手作りハタハタ寿司を食べてみましたが・・

旨い!柔らかい!!
あまり酸っぱすぎなくて、丁度いい味の仕上がり!

我ながら素晴らしい出来栄えに自然とホッコリ笑顔になりました。

ハタハタが獲れる時期は12月頃からなので樽のまま冷所に置いておいても簡単には腐りません。数週間は持ちます。
また、食べる分だけ皿に取り出して冷蔵庫で保管するのも有りです。

塩漬けによる余分な脱水、酢漬けによる抗菌&柔らかくする事により保存食として完成させた昔の知恵は素晴らしいですね!

発酵の力によって骨まで柔らかく丸ごと食べらえるハタハタ寿司。
皆さんもハタハタ寿司が食べたいなと思ったら、12月頃にスーパーにハタハタが売られるので是非ご家庭で作ってみてください!

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